自由雲台の効果的な使い方

 三脚は写真撮影にとって欠かせないアイテムの一つである。と同時に、これほど面倒とされるアイテムも少ないのではないだろうか。特に女性は、体力面から大きく重い三脚を敬遠される傾向にある。確かに三脚の理想は、重くて大きくて長いことがカメラを保持する意味で理想的である。しかし、この重さが体力を消耗し、結果として写真を撮る気を失う原因にもなることを考えると、そうもいってはいられない。写真を撮りに行ったのに、三脚を持ってこなければよかった。では、意味が無い。そこで、三脚を小型にして軽量化を図り、できるだけスリムな状態で撮影に集中できれば、これに越したことはない。ただし、三脚はブレを防止するためのアイテムで、三脚を使ってブレていたのでは元も子もなくなる。できるだけ、小さくスリムにしようとすれば、雲台をパン棒タイプを使わずに自由雲台にするという方法もあるが、どうもパン棒タイプの雲台よりも、強度に問題があってブレてしまうことが多いと言われている。

 しかしながら、取り付け方次第で自由雲台は、パン棒タイプの雲台に劣らないほどの効果を発揮できる。一般的な付け方はネジを回してカメラを取り付け撮影をするのであるが、実は、ネジを閉めた後が重要で、カメラごとネジの閉まる方向に回して増し締めするのである。これによってカメラのガタつきがなくなり、しっかりとロックされる。カメラは自重があるので、特に自由雲台の場合は、横位置の場合はいいが、縦位置になった時にネジが緩む方向にカメラの重みが加わり、ネジが緩む場合が多い。しかし、増し締めすることで、確実にロックされて緩むことはまず無い。

 一般的にブレの原因は、三脚の強度よりも雲台の取り付け方によることが大半であるので、どんなしっかりとした三脚を使用しても、雲台の取り付けが甘いとブレてしまうのだ。なので、どのような種類の三脚を使用しても、雲台の取り付けが最重要ポイントである。

 ちなみに、カメラを外すときも重要で、いきなりネジを緩めようとしても固くて外せないので、カメラを緩む方向に回してからネジを緩める。取り付けの時のカメラの回し方も重要でカメラを回してロックされたら、それ以上締め込まないことが肝心である。あまりキツく締め込むとネジをなめてしまうことにもなるので注意が必要である。何事も過ぎたるは及ばざるが如しである。