良い写真とは何か

よく教室で「何がいい写真ですか?」と言う質問があります。

いい写真とは何か?どういう写真がいい写真なんでしょうか?

コンテストに応募しているのに賞に入らなかったので、いい作品ではないのでしょうか?等、沢山質問されます。

まず、はっきり言えるのがコンテストでの写真の評価と、良い作品というものを同系列で考えないことです。

コンテストでは審査員の目を引く写真が入賞しますので、選外になった作品が他のコンテストに応募したら入賞するということもあります。

さらに、審査員が作者の意図以上の評価をすることもあります。このようにコンテストでは、選者によって作品の価値基準が違ってくるのです。

よって、作品が入賞するかしないかで一喜一憂する必要はありません。

勿論、審査員の中での基準はありますし、その基準に沿って賞は決められるので、確かに賞に入った作品というのは良い作品といえます。

写真の表現は多岐に及びます、たとえばスナップ写真しか撮ったことのない審査員にアブストラクト(抽象表現)は理解できるでしょうか。また、理解できたとしてコンテストの趣旨と違っていれば選ばれることはありません。

ここで、写真の本質の話をしましょう。

結論を言うならば、写真は自分が表現したいことを的確に映像で表現できた時に成功したといえます。

つまり、いい写真ということになります。

更に言うなら、このいい写真の基準も自分自身のレベルがアップすると、写真の見方が変わり自分自身の評価も変わってきます。

だからこそ、人が評価することが大切なのでなく、自分が表現したいものを表現する。この姿勢が大切なのです。

ただし、写真の知識・技術を含め、あらゆる表現を学ぶことが大切で、広い視野を持つことによって写真の本質が見えてくるのです。そのためには良い指導者が必要です。皆さんが表現したい作品を正しい方向に導いてくれる指導者の存在があれば、安心して自分の作品レベルを向上させることに集中できます。

このようにしてクオリティが向上した時、他の人からも良い評価が得られるようになります。

すなわち、良い作品とは多くの人が共鳴できる作品のことといえます。

最後に写真は、芸術と芸術でないものが有ることを理解してください。

芸術とは、創造性があり作者の意図が的確に表現できている作品で、芸術でないものは被写体に依存した作品です。

そして、コンテストは芸術性を評価するだけのものでは無いということです。